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車検切れの車を名義変更する方法と必要書類について

オークションで落札したり、知人・友人から自動車を譲り受けたとき、その自動車が「車検切れ」というケースは珍しくありません。

そして、車検切れの自動車を他人名義から自分名義へ名義変更するには、大きく分けて3つの方法があります。

今回は車検切れとなっている車の名義変更の方法と必要書類などについて説明していきたいと思います。

まずは、下記のイメージで全体の流れを把握して頂ければと思います。

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軽自動車(車検切れ)の名義変更について知りたいという方は、「軽自動車の車検切れ車両の名義変更」からお進みください。

普通自動車の車検と名義変更

現行の法律では、道路運送車両法により「普通自動車」の名義変更を行うときには、その前に「車検」を通すことが義務付けられています。

道路運送車両法(変更登録/移転登録)
第十二条 2前項の申請をすべき事由により第六十七条第一項の規定による自動車検査証の記入の申請をすべきときは、これらの申請は、同時にしなければならない。
第十三条所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。
前条第二項の規定は、第一項の申請について準用する。

参考/道路運送車両法

そのため、個人売買や知人・友人からの譲渡の場合に限らず、中古車販売店などの業者から中古車を購入する場合であっても、名義変更をする前には必ず、車検を通す必要があるということになります。

それでは、順番に見ていきましょう。

前の所有者名義で車検を通してから名義変更

まず、前の所有者名義で車検を通してから名義変更する場合ですが、この場合は、実質的に車検の残りがある車を買ったり、譲り受けたりするケースと同じということになります。

中古車販売店などの業者からの購入の場合、車検を通すための必要書類及び名義変更のための必要書類について、業者の方から連絡してくると思いますので、その連絡を待っていれば大丈夫かと思います。

一方、個人売買や譲渡などの場合は、まず前の所有者名義で車検を受けることになります。

そして、その車両の車検がパスした後、前の所有者から新しい所有者へ名義変更をするために、陸運局に向かい、名義変更の申請を行います。(行政書士などの業者に依頼することも可能です。)

では、前の所有者が車検を通した後、自分で名義変更をする場合の必要種類を下記にて見ていきましょう。

自分で名義変更をする場合の必要種類

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名義変更の必要書類用意する人取得できる場所
1実印及び印鑑証明書前の所有者住民票がある市区町村役場
2車検証(有効期限内)前の所有者陸運局
3※住民票(上記の印鑑証明書と車検証の住所が異なる場合)前の所有者市区町村役場
4※戸籍謄本(上記の印鑑証明書と車検証の氏名が異なる場合)前の所有者市区町村役場
5譲渡証明書前の所有者任意
6委任状(実印にて押印)前の所有者任意
7実印及び印鑑証明書新しい所有者住民票がある市区町村役場
8車庫証明書新しい所有者警察署
9手数料納付書新しい所有者陸運局に隣接した税事務所で
10自動車税・自動車取得税申告書新しい所有者陸運局に隣接した税事務所で
11申請書新しい所有者陸運局

※申請までに何度も、引っ越しをされている場合は、その経緯を確認ができる複数枚の住民票(除票)、もしくは戸籍の附票(住所の変更履歴が記載された戸籍謄本の附票)が別途必要となります。

※委任状は必要ありません。

では、続いて前の所有者ではなく、新しい所有者が車検を通して名義変更する場合を見ていきましょう。

新しい所有者が車検を通して名義変更する場合

説明に入る前に大前提として、新しい所有者が、”ちょっとだから・・”という軽い気持ちで、車検業者のところまで車検が切れている車を運転して持って行くことは、絶対にやめておきましょう。

詳しくは「車検切れの交通違反で受ける罰則と罰金のまとめ」をご覧いただければと思いますが、無車検運行で検挙されたり、無車検運転の状態で事故を起こすと取り返しのつかないことになってしまいます。

では、そのままでは動かすことのできない車検切れの車を車検に通すには、どんな方法があるのかということを見ていきたいと思います。

引き取り可能な車検業者に依頼する

車検切れの車を引き取りに来てくれる業者を探す方法には、色々な方法がありますが、無料でかつ、最も簡単に探せる方法を紹介したいと思います。

まずリクルートが運営しているカーセンサーのサイトにアクセスします。

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そして、今度は自宅がある住所の郵便番号、車のメーカー、車名を入力します。

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そうすると、郵便番号から10km以内にある車検業者の店舗が検索結果にずらっと表示されます。

検索結果が出てこないときは、ページ中央にある対象距離の絞り込みのところで範囲を広げると、車検業者の店舗が出てくるかと思います。(20km以内、30km以内、40km以内、50km以内)

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無事、検索結果が表示されると、今度は「引取・納車」にチェックを入れて再検索をします。

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引き取り費用は負担が増えることになりますが、この方法であれば、次に説明すよるような仮ナンバーを取得して、車検業者のところまで車両を運ぶといった手間をかけることなく、車検を受けることができます。

自分で仮ナンバーを取得して、車検業者のところまで運ぶ

それでは続いて、仮ナンバーを取得して自分で車を運転して車検業者のところまで運ぶ方法について説明していきたいと思います。

仮ナンバーを取得して、名義変更するまでの流れは、下記の通りとなっています。

仮ナンバー取得から名義変更までの流れ
1必要種類を用意する
2自賠責保険及び任意保険に加入する
3車検を受ける業者を探しておく
4市区町村役場で仮ナンバーを取得
5車検業者へ車を持ち込み車検を受ける

〇仮ナンバー取得のための必要書類を用意する

仮ナンバーを取得するための必要書類は下記の通りとなっておりまして、車検証や抹消登録証明書などの書類以外は新しい所有者が用意することになります。

仮ナンバー申請の必要書類用意する人
1車検証や抹消登録証明書など前の所有者
2自賠責保険証(コピー不可)新しい所有者
3免許証など申請者本人を確認できるもの新しい所有者
4申請書(自動車臨時運行許可申請書)新しい所有者
5印鑑(認印)
法人の場合は、社印代表者印
新しい所有者
6仮ナンバーにかかる手数料(750円程度)新しい所有者

申請書(自動車臨時運行許可申請書)は市区町村役場(市役所や区役所)の窓口やウェブサイトなどで取得できますので、申請する市区町村役場のサイトなどでご確認ください。

ちなみに、下記は千葉県浦安市のサンプルになります。(各市区町村で申請書のフォーマットは違いますので、ご注意ください)

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参考/浦安市-電子申請自動車臨時運行許可申請書-

〇自賠責保険に加入する

仮ナンバーを取得するときには、自賠責保険の加入が必須となっておりまして、コピーは不可となっています。

また、仮ナンバーで運転する期間が短いとは言え、万一のことを考えて任意保険にも加入しておきたいところです。(参考/無料の自動車保険一括見積もりサービス)

任意保険を提供している保険会社の多くは、自賠責保険も提供していることが多いので、任意保険と自賠責保険を一緒にお願いするというのも一つの方法です。

なお、自賠責保険の加入期間は「25ヶ月」単位で加入するのが一般的です。

なぜなら、今回のように車検切れの自動車の車検を通す場合、車検の有効期間と自賠責保険の有効期間に2年後に”ズレ”が発生するため、それをあらかじめ計算して、「25ヶ月」単位で加入することが多いという状況です。

<補足> 正確には、仮ナンバー取得中の自賠責保険は「商品自動車」として最短5日間の契約を結び、車検を受けるタイミングで「自家用乗用車」として車検を受ける日から25ヶ月以上の契約を結ぶという形になります。

〇車検を受ける業者を探しておく

仮ナンバーに必要な書類が用意できると、いよいよ仮ナンバーの申請となるのですが、その前に念のため、車検を受ける業者に車検を受けることができるかどうかを確認しておく必要があります。

カーセンサーのサイトなどで、あらかじめ車検を受ける車検業者を調べて、必要に応じて、予約などをしておいた方がいいでしょう。

ユーザー車検やユーザー車検代行で車検を受ける場合は、車検を受けるための準備をしておきましょう。

〇仮ナンバーを取得、車検業者へ車を持ち込む

車検を受ける業者を決めた後は、いよいよ仮ナンバーを取得するために、市町村役場に申請に行きます。

申請時の手数料として、750円の費用がかかりますので、ご用意ください。

また、免許証などの本人確認書類の提示を求められることがありますので、免許証などの本人確認書類を念のため、持参しておいた方がいいでしょう。

無事、仮ナンバーを取得できますと、それを受け取り、自動車につけて車検業者に車を持ち込みます。

これで後は、車検が通過するのを待つだけという形になります。

車検を受けた後に普通車の名義変更をする

車検を受けた後の、名義変更につきましては、普通自動車を登録する陸運局で行います。

名義変更の必要書類用意する人取得できる場所
1実印及び印鑑証明書前の所有者住民票がある市区町村役場
2車検証(有効期限内)前の所有者陸運局
3※住民票(上記の印鑑証明書と車検証の住所が異なる場合)前の所有者市区町村役場
4※戸籍謄本(上記の印鑑証明書と車検証の氏名が異なる場合)前の所有者市区町村役場
5譲渡証明書前の所有者任意
6委任状(実印にて押印)前の所有者任意
7実印及び印鑑証明書新しい所有者住民票がある市区町村役場
8車庫証明書新しい所有者警察署
9手数料納付書新しい所有者陸運局に隣接した税事務所で
10自動車税・自動車取得税申告書新しい所有者陸運局に隣接した税事務所で
11申請書新しい所有者陸運局

必要となる書類は、上記の通りとなっています。

それでは、続いて軽自動車の車検切れ車両の名義変更について見ていきたいと思います。

軽自動車の車検切れ車両の名義変更

普通自動車の場合、車検切れの車両の名義変更をする前に車検を通す必要がありましたが、軽自動車の名義変更の場合は、事前に車検を通す必要がありません。

道路運送車両法(登録の一般的効力)
第二章 第四条自動車の登録等自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。以下第二十九条から第三十二条までを除き本章において同じ。)は、自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない。

参考/道路運送車両法

下記の必要書類を用意して、軽自動車協会の支所で名義変更の手続きを行えば、車検切れの車両であっても、名義変更をすることが可能です。

名義変更の必要書類対象者取得できる場所
1戸籍謄本相続人全員市区町村役場
2除籍謄本 (亡くなった方の住所を確認するため)これまでの所有者市区町村役場
3住民票の除票 (亡くなった方の住所を確認するため)これまでの所有者市区町村役場
4自動車検査証(車検証)これまでの所有者軽自動車検査協会
5ナンバープレート(車両番号標)これまでの所有者軽自動車検査協会
6新使用者の印鑑(認め印でOK)新しい所有者-
7使用者の住所を証する書面(住民票など)新しい所有者-
8遺産分割協議書相続人全員の連名および実印による押印-
9譲渡証明書新しい所有者-
10委任状(実印にて押印)相続人全員の連名および実印による押印-
11自動車検査証記入申請書軽第1号様式
または
軽専用第1号様式
新しい所有者軽自動車検査協会
12軽自動車税申告書新しい所有者軽自動車検査協会
13自動車取得税申告書新しい所有者軽自動車検査協会

参考/軽自動車協会 -名義変更-

参考/軽自動車協会 -全国の事務所・支所一覧-

軽自動車のナンバープレートと車検について

車検切れ軽自動車の名義変更の際のナンバープレートですが、自動車検査証(車検証)に記載されている管轄が前の所有者と新しい所有者で変更がなければ、必要ありません。

ただ、管轄が変更になる場合は、ナンバーが変わりますので、ナンバープレートの返還が必要になりますので、申請の際に用意しておく必要があります。

ちなみに、ナンバー変更時はナンバープレート代が別途必要です。(費用については、ナンパープレートのタイプにより異なりますが、1,400~1,800円程度。)

軽自動車協会で名義変更を済ませると、今度は、自賠責保険、そして強制保険(参考/無料の自動車保険一括見積もりサービス)への加入、そして車検(参考/カーセンサー)へと進みましょう。

保険と車検の手続きが済めば、晴れて公道を運転することができるようになります!

まとめ

「車検切れの車を名義変更する方法と必要書類について」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

車検切れの軽自動車の方は、名義変更の後でも車検はOKなのに対し、車検切れの普通自動車は、名義変更前の車検が義務付けられていたり、また、車検から名義変更までの道のりも幾つか方法があるなど、少し複雑な点もありましたが、できるだけ読者の方に分かりやすいように、まとめさせて頂きました。

今回の記事が参考になれば、幸いです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。