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ディーラーの車検費用が高い理由とその対策

自分が購入した車をディーラーで車検をお願いするという人も多いと思います。

しかし、車種によっては、「えーこんなに高いの?!」とビックリするような経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

今回、記事の執筆を担当させて頂く筆者もそんな一人です・・。

新車を購入してから3年目に、ディーラーに車検費用の見積もりをお願いしたところ、「約30万円」と言われて、目を丸くした経験があります・・・。(事故なし、走行距離やや長め、交換部品あり)

そこで、今回はそんな筆者の経験も交えながら、ディーラーの車検費用が高い理由とその対策などについて、まとめていきたいと思います。

ディーラーの車検費用が高い理由

あまりにも高いディーラー車検の費用に対して、疑問を感じざるを得なかった筆者は、なぜディーラー車検がそんなにも高いのかということを調べ上げたのが、下の表になります。

ディーラーの車検費用が高い理由
1地代家賃や固定資産税が高い
2営業、総務、販売員などの人件費が高い
3整備士の工賃が高い(専任スタッフなど)
4部品代などが高い

順番に見ていきたいと思います。

1.地代が高い

ご存じの通り、トヨタや日産、ホンダなどのカー・ディーラーのお店は、車が通りやすい”立地のいい”場所に存在しています。

ディーラーは車検だけでなく、車を買ったり、下取りしたりするのも商売としていますので、立地のいい場所にお店を構えるというのは、最も重要なポイントになるのは間違いありません。

しかし、そうした立地のいい場所は、地代家賃が決して安くなく、また仮に家賃を払っていなくても立地のいい場所は、固定資産税が高くなりがちです。

土地にかかる高い固定費用は、ディーラーの高コスト体質を作り上げる十分な理由の一つになっています。

2.営業、総務、販売員などの人件費が高い

求人雑誌や求人サイトなどをご覧頂けますとすぐにお分かり頂けますが、カー・ディーラーは、営業、総務、販売、受付などのスタッフを高い給料で雇用しています。

日本の人件費が先進国の中でもかなり高い部類に入ることはご存じの通りですが、車検サービスを提供している様々な会社の中でも、一段と高い人件費がかかっているのがディーラーです。

例えば、営業や総務、販売、受付スタッフなどがいない、あるいは、仮に在籍していてもわずかしかいない認証工場や指定工場とディーラーを比べてみますと、その人員構成の違いがどれくらいの人件費の違いを生んでいるかは、容易に想像がつくかと思います。

高い人件費は、ディーラーの車検費用を押し上げる大きな理由の一つになっています。

3.整備士の工賃が高い(専任スタッフなど)

ディーラーでは実際に車検の整備を行う工賃も、営業、総務、販売といったスタッフ同様、高くなりがちです。

ブランド力と営業力でお客さんを集めて車検を行うディーラーは、その整備にあたるスタッフについてもお客様からの信頼に応えられるだけのスタッフを揃える必要があるからです。(実際には、ディーラーで車検をしてもらったから、安心というわけではないのですが・・)

会社が専門職として、整備士を教育するコストや雇用を維持していくためのコストがまさに、それに該当します。

整備士に限らず、エンジニアなどの専門職と呼ばれる人たちは、スキルやキャリアなどにより給料は大きく変わってきますが、ディーラーはその”ブランド”があるが故に工賃も高くなる傾向にあります。

4.部品代などが高い

厳密な意味では、法律上の車検をパスすることとは関係ないのですが、車検のときに部品交換をすすめられるということは決して、少なくありません。

ディーラーの魅力は何と言ってもその車を製造したメーカーが車検を行ってくれるというところにありますので、純正パーツで自分の車のメンテナンスをできることは大きな安心材料になりますが、一方で純正のパーツ交換は費用が高くなることも少なくありません。

GT-Rのように、タイヤ、ブレーキパッド、ブレーキディスクなどを純正のものに変えるだけで「数十万」単位のお金が必要になるケースもあるほどです。

実は筆者もディーラーに車検の見積もりをお願いしたときに、その明細を見て驚いたのは純正部品の費用の高さでした・・。

なぜ、純正部品はそんなにも高くなるのでしょうか?

よほどの人気車種でもない限り、その車種だけのために開発された小ロットの部品は、汎用性のある大きなロットで作られる部品に比べて、製造コストが高くなってしまうからに他なりません。

車検費用を安く抑えるコツ

それでは、続いてディーラーの車検費用を安く抑えるために、どういった方法があるのかということを見ていきたいと思います。

真っ先に浮かぶのは、車検を依頼する業者を変えるということではないでしょうか。

そこで、車検を依頼できる業者にはどんな会社があるのかということを、ざっくりと表にまとめました。

認証工場指定工場
整備工場の違い車検に通るための整備だけ検査は国土交通省の検査場へ持ち込む必要整備から検査まで行える

認証工場と指定工場の違いは、整備だけでなく、「検査」までを行うことができるかどうかという点にありまして、「検査」まで行うことができる工場を営業するためには、国土交通省の許可を得る必要があります。(人員、設備、運営体制などの審査をクリアする必要)

そして、認証工場と指定工場はそれぞれ、どんな会社が行っているのかということをまとめたものが、下の表になります。

認証工場指定工場
業者の種類小さな町の整備業者・ガソリンスタンドやカー用品チェーン・ユーザー車検代行などディーラー・車検専門業者・自家工場(タクシーや運送会社が一般のお客さんにも車検サービスを展開)

この中で車検費用を安く済ませることができて、かつ安心できるとなりますと、ディーラー以外の指定工場である「車検専門業者」や「自家工場」になるかと思います。

また、とにかく安ければいいという業者であれば、車検をパスするための最低限の整備を行い、検査を代行してくれるガソリンスタンドやカー用品販売店の車検サービスがいいと思います。(最近は、ガソリンスタンドやカー用品販売店の中には、指定工場に”鞍替え”しているところも増えています)

ユーザー車検代行なども安く車検をパスできる筆頭の業者の一つで、それらの業者は少なくても”安さ”という面では、ディーラーよりも安く済ませることができるかと思います。

ただ、安く済ませることができる背景については、よく理解しておく必要があります。

車検を通すことだけを考えると必要ないものの、安全面を考えると必要な部品交換をしないために車検費用が安いのか、あるいは、単純に人件費などの手数料が安いのかといったことは把握しておくべきだと思います。

次に考えられるのが、部品の調達です。

ディーラーの車検費用が高くなる理由の一つに、高い純正品があるということを説明させていただきましたが、知識や腕に自信のある方であれば、純正ではない市販品を自分で手配して、それで部品を交換するという手もあります。

純正品よりも安い部品をネット通販などで簡単に購入することができますので、それらをディーラーに持ち込むという方法になります。

ただ、手間が掛かる上に、ディーラーでそれをお願いするというのは、交渉などの手間を考えると、少しハードルが高いかもしれません。

実際に筆者はこの方法を試そうとチャレンジしてみましたが、交換部品のサイズや種類が豊富でどれを買えばいいのか全く見当がつかないものも多く断念しました・・・。

まとめ

「ディーラーで車検費用が高い理由とその対策」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

車検費用は車種や車の年式や走行距離などの状態によっても変わってきますが、車検を依頼する会社によっても異なってきたりなど、なかなか適正価格を知ることが難しいことも少なくありません。

その時のお財布事情や買い替えなども視野に入れながら、冷静に判断したいところですね。

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著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。