中古車の下取りについて > 新車を売却|損失拡大を今すぐ止めることが最優先!

新車を売却|損失拡大を今すぐ止めることが最優先!

自動車業界に身を置く筆者のところには、買ったばかりの新車の売却を考えているという”相談”を持ち込まれることが、意外に少なくありません。

その理由としては、急な転勤などの仕事の都合、結婚・離婚などのプライベートの変化、思ったより大変なローンの支払いなどです。

そして、興味深いことに、相談に来るほとんどの方が新車を売るということに対して、

「新車をすぐに売ると損だと聞いたんだけど・・・?」

「もったいないかな・・・?」

という風に、ほぼ同じように心配しているのです。

そして、筆者はその相談を聞いた後、ほとんどのケースで次のように答えます。

「損失拡大を今すぐ止めよう!」

新車の価値はどんどん下がる

車はできるだけ長く乗った方が損をしないというのは、ある意味では事実です。

なぜなら、長く乗れば乗るほどその年月の分だけ、購入単価が下がるからです。

維持費を計算に入れずに、購入費用200万円の車を10年乗った場合と1年で売却した場合(140万円で売却したと仮定)を比較してみますと・・・

20万円×10年=200万円

60万円×1年=200万円-140万円

となりまして、1年あたりにかかった費用は10年の場合は20万円、1年の場合は60万円で10年乗った場合の方が安いという結果になります。

新車はできるだけ長く乗った方がお得というほとんどの理由が、こうした考え方で説明されています。

実際に中古車市場では、200万円で購入した車が1年後には30%~50%もその価値が少なくなって、100万円~140万円程度で買い取りされるということも少なくありません。(車種によります)

また、不運にも購入した新車が何らかの理由で”不人気”車種の烙印をマーケットから押されてしまった場合は、1年や2年で”半値以下”にまで買い取り価格が下がることもあったりします。

sell001

では、目の前で新車の価値がどんどん下がっているのを我慢して乗り続けることと、多少の損失には目をつむって、”エイヤッ”で売ってしまうのと、本当はどちらが損なのでしょうか?

〇一時的な損失を出すのを避けて、不満を抱えたまたま我慢して今の車に乗り続ける

〇一時的な損失を出した後、次の車で工夫してお得で満足のいくカーライフを送る

実は今、新車をすぐに売却してもその後の工夫次第では、経済的にもお得で満足度の高いカーラーライフを送る方法は幾らでも存在します。

新車を売った後の選択肢は豊富にある

先ほど新車を1年で売却するケースと10年乗り続けるケースの比較では考慮しておりませんでしたが、車を維持していくには、税金、保険、燃料代、車検、消耗品の交換など様々なコストがかかります。

車両価格そのものは乗る期間が長くなればなるほど安くなっていきますが、維持費は逆に年数が経過すればするほど掛かってきます。(車検は新車登録から3年、それ以降は2年ごとなど)

つまり、車を保有している限りは、維持コストは重くのしかかり続けるのです。

では、新車を購入して、すぐに売却してしまった後の車の選択肢にはどんなものがあるのでしょうか?

代表的なものには、下記のような選択肢があります。

〇カーシェアリング

〇カーリース

〇軽自動車に乗り換える(売却予定の車が軽自動車の場合は除く)

順番に見ていきたいと思います。

新車を売ってカーシェアリングを利用する

今、利用者が急増しているカーシェアリング。

カーシェアリングは、平たく言えば24時間利用できる間口の広いレンタカーといったサービスで代表的なものにはカレコタイムズアースカーなどがあります。

それぞれのサービスには多少の差はありますが、1時間700~900円程度の費用(パック料金)で、コンパクトカーからプリウスなどのハイブリットカー、アウディ・BMWなどの輸入車まで好きな時間に好きな車に好きなだけ乗ることができるサービスです。

各サイトにある実際の利用者の声をご覧いただければ、どういったポイントが高い満足度を得ている要因なのかということも窺い知ることができるかと思います。

では、新車を売却してカーシェアリングに切り替えることと、新車を乗り続けることのコストを比較してみましょう。

下は編集部のスタッフ2名の車の維持費を表にしたものです。(車検代などは含まれていません。)

自家用車中型乗用車(1,000~1,500cc)軽自動車
自動車税(年間)34,500円7,200円
任意保険/11等級(年間)28,650円23,420円
ガソリン代(年間)36,000円20,000円
消耗品(オイル交換など/年間)20,000円15,000円
駐車場代(年間)5,000円×125,000円×12
合計184,150円130,620円

下はタイムズのカーシェアリング(ガソリン代込)を隔週1回×6時間パックを1年間利用した場合にかかる費用です。

26回(52週÷2)×4,000円=約104,000円

今の車を我慢しながら乗り続けるよりも、豊富な車種の中から好きな車に乗ることができて、維持費も抑えることができています。

仮に、一時的に新車を売って損失が出ても、維持費と車検代のことを考えると、数年程度で十分に元が取れる計算です。

また、カーシェアリングの使い方としては、試乗も兼ねて色々な車に乗ってみて、本当に自分のライフスタイルにあった車を探すという方法もあります。

新車を売ってカーリースを利用する

カーリースのいいところは、車検や税金などの支払いが必要ないところで、保険だけ加入しておけば、あとの費用はカーリースを行っている会社が負担してくれます。

例えばカーリースで有名な「【コスモ石油公式】スマートビークル 」のサイトを見ると、契約期間60ヶ月で月額25,000~30,000円程度の費用をかけて利用している人が多くいることが分かりますが、毎月これくらいの金額であれば”安い”と感じている人が多いということが窺えます。

また、メンテナンス代金も見逃せません。

例えば、オイル交換 、タイヤ交換、ブレーキパッド・フルード交換、バッテリー交換、ワイパーゴム交換 2,500円、エアコンフィルター交換などは、本来は車の持ち主の負担になりますが、カーリースではリース会社が負担してくれます。

新車を売却することで一時的な損失はありますが、カーリースに切り替えることでコスト負担を軽くするという方法があることもお分かりいただけるかと思います。

軽自動車に乗り換える

売却を考えている新車が軽自動車でない場合は、軽自動車へ乗り換えるという手もあります。

軽自動車の魅力は何と言っても、維持費の安さで仮に新車を売却して、一時的に損失が出たとしても維持費の安さでその損失を数年程度で回収ができてしまうでしょう。

軽自動車への買い替えについては、「軽自動車へ買い替えをするときのメリットと注意点のまとめ」の記事で詳しく検証しておりますので、参考にして頂ければと思います。

新車のローンが残っている場合について

ローンが残っている車と言っても、新車であれば売却代金でかなりの部分を返すことができると思いますが、売却後に残債が残ってしまった場合は、どうすればいいの?という方もいらっしゃるかと思います。

そこで、ローンと車の売却方法をケース別にまとめた記事を用意しましたので、詳しく知りたいという方は、「ローンが残っている車を売る手順とお得な方法」という記事を参考にしていただければと思います。

まとめ

「新車を売却|損失拡大を今すぐ止めることが最優先!」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

一般的には、新車は長く乗れば乗るほどお得と言われますが、新車を売却した後に乗る車の利用の仕方によっては、新車をすぐに売却しても損をしないどころか、得することがあるというのはご理解頂けたかと思います。

筆者は冒頭で新車を売ることに対して相談を持ちかけられたときに、ほとんどのケースで「損失拡大をすぐに止めよう!」と答えているのは、今回ご紹介したような今の日本の選択肢の豊富さと、アレコレと迷っているうちに、どんどんその車の価値が落ちてしまうことを懸念しているからなのです。

売りたい人が多い売りたい人が少ない
買いたい人が多い中古車価格は普通中古車価格は高い
買いたい人が少ない中古車価格は安い中古車価格やや安い

新車は購入したその日から中古車になり、その価値は刻々と下がっていきますが、まだ新車と呼べる期間であれば、買いたいと手を挙げてくれる人は大勢います。

すぐに新車を売って一時的な損失に食い止めることで、それが結果的には気持ちの面やお金の面での”長期的な損失”の拡大を防いでくれることに繋がることもあるのです。

買い替えを検討されている方へ

つい先日、筆者が一括査定で複数の買取会社に査定依頼してみたところ、一番高い会社と一番低い会社の価格差が、全く予想外の19万6千円にもなりました。

買い替え前にチェックしておいて本当に損せずに済みました。

申込はたったの1分で完了。あっという間に高額査定をしてくれる会社が分かります。

第1位【東証一部上場のエイチーム運営】
ナビクル車査定

第2位【リクルート運営のカーセンサー】
カーセンサー.net簡単ネット査定

第3位 【ズバット車買取比較!】
中古車買取ならズバット

著者:伊澤仁志

自動車業界の片隅で働くエンジニア。これまでハードウェアやソフトウェアの開発だけでなく、ネットや実店舗での営業販売、マーケティングなどの仕事に関わってきました。現在はシステム設計をおこなう傍ら、ウェブメディアを中心に執筆を行っています。